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11(平成13年2月1日)
当クリニック最初の体外受精児が無事に誕生!
| 昨年4月から始めた当クリニックでの体外受精による最初の赤ちゃんが1月××日に無事誕生しました。不妊期間約10年の35才の原因不明不妊の方で、昨年4月に1回目の体外受精(顕微授精)ー胚移植を行い、単胎妊娠されました。妊娠後は広島市内の産婦人科にて妊娠管理を受けられ、先日帝王切開にて無事に31××gの男児を出産されました。 今後は続々と当クリニックでの体外受精による赤ちゃんが誕生していく予定です。 |
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| いよいよ当クリニックで体外受精、顕微授精を中心とした生殖補助医療が始まりました。採卵・移植室には最新の手術台、経膣超音波装置を備え、効率良くまた確実に採卵や移植が行えるようにしました。また、採卵時および移植時に患者さん自身が自分の卵子や胚を見る事ができるようにテレビモニターも設置しています。一方、培養室にはHEPAフィルター(庫内を無菌状態に保つ装置)を装着したCO2インキュベーター、操作を迅速かつ確実に行うためにウァームプレート(卵子や胚の観察中にそれらを37℃に保つ装置)と実体顕微鏡が一体となって組み込まれたクリーンベンチ、最近開発されたばかりのマニピュレーター(卵子に1匹の精子を注入するための装置で以前に比べ微小のコントロールが可能となりました)を装着した顕微授精装置など、あらゆる面で世界最高水準の設備が整っています。そのため、個々の患者さんの状態に応じて最適の治療を安心して行えます。 |
| 3月11日から始まったクリニックのリニューアル工事は3月20日に無事終了し、3月22日からこれまでどうりに診療を再開しました。待合室は以前よりやや狭くなりましたが、空調は全て一新され、受付や診察室、処置室は以前よりも使いやすい配置となり、よりスムースな診療を提供できるようになりました。また最新の機器を備えた高度生殖補助医療(体外受精、顕微授精など)部門を新たに設置し、すでに外来は開始しています。採卵や移植などの治療開始は4月1日からの予定です。 |
| 今日からいよいよクリニックのリニューアル工事が始まりました。 当院は今年が開院20年目にあたります。その間に不妊症の分野は体外受精や顕微授精などの新技術が可能となるなど大きな変化、進歩を遂げてきました。そのため今回当院も全面的にリニューアルし、最新の不妊診療を行える体制を整えることになりました。新しく培養室や採卵室を設けるだけではなく、これまでの受付や診察室、薬局なども新しくし、空調も新しくするため予想していたよりもかなり大がかりな工事となっています。面積も現在の約1.5倍となります。 今後は3月20日に工事が終了し、3月22日から外来診療を再開、4月1日から高度生殖補助医療(体外受精、顕微授精など)を開始する予定です。一般不妊診療はこれまでどうりに行ってまいります。スタッフ一同これからも患者さんの期待に応えられるよう精一杯努力してまいりますので今後とも宜しくお願い致します。 |
| 2月18日、日本産科婦人科学会の諮問機関の「倫理審議会」が体外受精で夫婦以外の精子や卵子の使用を条件付き(学会による個別審査が必要、提供は匿名の第三者)で認める見解をまとめたことが新聞等で報道されました。これにより様々な原因で精子や卵子が出来ない不妊カップルに新たな治療の道が開かれる可能性がでてきました。今後は今月末に開かれる同学会の倫理委員会に答申される予定のようです。 1978年にイギリスで世界で初めて体外受精に成功し、その5年後に日本でも最初の体外受精が行われましたが、その同じ年に同学会は会告(学会員に対する指針)で夫婦間以外での体外受精の実施を禁止し、今日にいたっています。 しかし、夫以外の精子を用いた人工授精(非配偶者間人工授精、AID)は戦後間もなくから日本でも行われ、既に1万人以上の子供が生まれていると言われています。1997年にようやく同学会は会告でこれを公に認めました。また以前から卵巣機能不全(治療を行っても排卵しない)の患者さんからは体外受精での妻以外の卵子の使用を認めるよう強い要望が出されていました。そして1998年には長野県の医師が不妊カップルの姉妹から提供された卵子を用いて体外受精を実施していたことが明らかになっています。 それらを受けて同学会は昨年8月に倫理審議会(メンバーには生命倫理、法律の専門家を含む)を設けてこの問題について検討を始め、今回ようやく上記の見解をまとめるにいたりました。 しかし誰がどのような基準で審査をするのか、卵子提供に伴う安全性の確保はどうするのか、提供者への謝礼の問題、生まれてくる子供の法的問題、代理母についてはどうするのか、など残された問題は多くあります。 いずれにしても同学会の今後の発表を見守り、それが今年秋にまとめられる予定の厚生省先端医療技術評価部会専門委員会の生殖補助技術についてのガイドラインにどのように反映されるか注目していきたいと思います。 |
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| 昨年の8月から海外で生殖補助医療の研修を行っていましたが、昨日で無事全日程を終了しました。 今回の海外研修の目的は、今年4月からの絹谷産婦人科クリニックでの体外受精を中心とした生殖補助医療開始の前に 1. この分野における自分のレベルを知り、 2. この分野の世界のレベルを知り、 3. その上で、自分自身のレベルアップを図り、 4. 今後のレベル維持のためにも世界中に多くの知人、友人をつくる ことでした。1978年にBourn Hall Clinicで始めて体外受精による赤ちゃんが誕生して以来、生殖補助医療の分野は急速な進歩を続けています。そのため医療水準を世界レベルに保つ事は決して容易なことではありません。 今回の研修では上記の目的を十分果たす事ができました。山王病院リプロダクションセンター(東京)井上正人院長のもとで学んだ生殖補助医療は世界レベルにあることを確認する事ができました。また、McGill大学(カナダ、モントリオール)ではIVM(in vitro maturation)という最新の治療法や、よりレベルの高い胚凍結融解法、胚盤胞培養法などを修得することができました。また、Toronto大学Toronto Centre for Advanced Reproductive Technology (TCART)(カナダ、トロント)、Diamond Institute(アメリカ、ニュージャージー)、Bourn Hall Clinic(イギリス、ケンブリッジ)を訪れることによりこの分野における数多くのスペシャリストと知り合い、意見を交換する機会をもつことができたことは自分にとって大きな財産となりました。 今後は広島大学医学部附属病院での経験と今回の海外での研修をもとに、当クリニックにて充実した内容の治療を行っていきたいと考えています。 |
| 今回、アメリカのニュージャージーにあるDaiamond
Instituteで研修する機会を得ましたので報告致します。 この施設は2人の医師による不妊症および閉経後婦人を対象とした私立のクリニックで、年間約300例の体外受精ー胚移植を行い、非常に高い妊娠率を維持しています。 この施設の特徴として、非常に極め細やかな排卵誘発を行っている点があげられます。排卵誘発中はほとんど毎日のように血中ホルモンや卵胞径、子宮内膜の厚さを検査し、その結果をもとに毎日ミーティングを開き、誘発剤の投与量や採卵の時期の決定を行っていました。したがって、当然日曜日や休日でも診察や採卵、移植を行っていました。 体外受精治療において質の良い卵子を採取することは非常に重要です。いくら優れた培養設備、技術を持っていても卵子の質が悪ければなかなか妊娠には結びつきません。この施設では、その患者さんにとって最も良い排卵誘発法を選択し、最も適した時期に卵子を採取することが高い妊娠率の維持において非常に重要と考えているようでした。 あたりまえのことのようですが、日本では患者さんの毎日の通院が難しいことや自己注射が出来ないことなどがあり、実際に同じように行うのは難しい状況にあります。しかし大いに見習うべき点だと感じました。 |
| トロント大学(カナダ)には体外受精センターが2つあり、その内の1つのToronto Centre
for Advanced Reproductive Technology (TCART)を訪れる機会がありましたので報告します。このセンターは年間約1000例のIVF-ETを行っているカナダで最も大きな体外受精センターの一つで、卵管因子による体外受精は主にもう一つのセンターで行っているため、約80%をICSI症例が占めています。 非常に症例数も多く、また非常に面積の広いセンター(私が知っている中では最も広く、培養室だけで約150 ・)ですが、エンブリオロジストは2人しかおらず、大変忙しく働いていました。新しい技術としてはレーザーを用いたAssisted Hatchingを行っており、ほんの数秒間で胚の周りの透明帯に孔をあけることができ、多くの症例を少ないスタッフで行っていくには非常に有効な方法と感じました。これまでは多くの施設が薬品を用いて行っていますが、参考にすべき技術だと感じました。 その他、非常に多くの症例があるため卵子、精子、胚を間違えないようにするためのチェックシステムを作り、万全を期していました。治療開始が決定した時点で各症例に色が決められ、その症例については培養液や試験管、シャーレなど全てにその色のテープ(毒性がないことが確認されている)が貼られ他とすぐに区別できるようにします。当然名前も書きますが、できるだけ短時間に区別しなければならない時(例えば孵卵器からシャーレを取り出す時)には色であれば容易に他と区別できるので非常によい方法だと感じました。 このように、各施設毎に様々な工夫がなされており、機会を逃さず多くの施設を訪れることの重要性を再認識しました。 |
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| 1月の末でMcGill大学医学部Royal
Victoria Hospital Reproductive Centerでの研修が終了します。昨年の9月から研修を開始し、約300例のIVF-ET、約100例のICSI(精巣内精子を含む)、約50例のIVMなどを経験する事ができました。特にIVMは世界的にも新しい治療法で、それに直接参加できたことは貴重な経験となりました。また、医師(産婦人科、泌尿器科、麻酔科)、看護婦、薬剤師、カウンセラーたちがチームを組んで協力して不妊診療にあたる、日本の医療システムとはかなり異なった効率のよい北米の医療システムを経験できたことも非常に有意義でした。帰国後はこれまでのよい所はそのまま残し、新しく取り入れた方がよいことは積極的に取り入れ、さらに充実した診療を目指して努力していきたいと思います。 今後はアメリカ(Diamond Institute)、イギリス(Bourn Hall Clinic)で研修をした後、3月始めに帰国の予定です。 追伸:モントリオールは最近は毎日日中でも-20℃以下の寒い日が続いています。風の強い日は体感気温-40℃にもなり、数分間外にいるのがやっとです。このような寒さはこれまでに経験したことはなくこれもカナダでの貴重な経験となりました。 |
| 体外受精治療では胚移植は受精後1日目(前核期)、2日目(4-8細胞期)、3日目(8-16細胞期)、5日目(胚盤胞期)など様々な時期に行われていますが、最も一般的なのは2日目の1回移植です。しかし着床の機序は未だに不明な点が多く残されており、最も適した移植時期がいつなのかは明らかになっていません。また子宮内膜の発育速度、胚の発育速度によって患者さん、治療周期毎に最適な移植時期が異なっている可能性もあります。 Double TransferとはここMcGill大学医学部Royal Victoria Hospital Reproductive Centerで最近始めた新しい胚移植方法で、2日目と5日目の2回にわけて胚移植を行います。こうすることにより1回の治療周期で最適な移植時期に胚移植ができる可能性を増やすことができます。ただしその際に2回目の胚移植が1回目に移植した胚の着床を妨げないようにする必要があります。必ず1回目の移植を行った医師が2回目の移植も行い、胚移植カテーテルの先を正確に内子宮口をわずかにこえた所へ運び胚を子宮内へ慎重に入れます。 まだ数例の体外受精反復失敗例に対して施行しただけですが、既にいくつかの妊娠が確認されました。 Double Transferの有用性についてはまだわかりませんが、このように体外受精治療はまだまだ確立された治療法ではなく、さらにより有効な治療法となるよう常に努力していくことが重要であると思います。 |
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| McGill大学医学部Royal Victoria Hospital Reproductive Centerで今最も積極的に進めている新しい技術としてはIVM(in vitro maturation)があげられます。最近日本でもその成功例が発表されましたが、これは文字どうり「体外での成熟」のことで、PCO(polycystic ovary、多嚢胞卵巣) やPCOS(polycystic ovary syndrome、多嚢胞卵巣症候群) の患者さんから卵巣刺激を全く行わずに未成熟の卵子を採取し、体外での特別な培養法により成熟させ、受精、移植を行う治療法です。PCOやPCOSの患者さんはIVF-ETでの成績が不良で、またOHSS(ovarian hyperstimulation syndrome、卵巣過剰刺激症候群)発症のリスクも高いためその対策が問題となっていました。この方法では卵巣刺激を行わないため治療費が抑えられ、また排卵誘発剤による副作用(OHSSや卵巣癌?)の心配もありませんが、これまでは妊娠率が低くなかなか臨床応用にまでいたっていませんでした。ここでは、採卵方法、採卵時期、培養条件、ICSI施行時期、移植時期など様々な検討を加え、今年の春から臨床応用に踏み切り、すでに妊娠率35%を達成しさらに細かい条件の検討を行っています。先日はその成績がNew England Journal of Medicineに掲載され、北米唯一のIVM成功施設としてカナダのマスコミに大々的にとりあげられました。現在、私はこの技術を修得中で、帰国後絹谷産婦人科で実施の予定です。 |
Chian RC, Buckett WM, Too LL, Tan SL
McGill Reproductive Center, Department of Obstetrics and Gynecology,
Royal Victoria Hospital, McGill University, Montreal, Quebec,
Canada. rchian@rvhob2.lan.mcgill.ca
2. Hum Reprod Update. 1998 Mar-Apr;4(2):103-20. Review.
Maturation in vitro of immature human oocytes for clinical use.
Cha KY, Chian RC
Infertility Medical Center, CHA General Hospital, College of Medicine, Pochon CHA University, Soul, Korea
3. Fertil Steril 1999 Jan;71(1):61-6
Chian RC, Ao A, Clarke HJ, Tulandi T, Tan SL
McGill Reproductive Center, Department of Obstetrics and Gynecology, Royal Victoria Hospital, McGill University, Montreal, Quebec, Canada. rchian@rvhob2.lan.mcgill.ca
4. Mol Reprod Dev 1995 Dec;42(4):425-31
Chian RC, Sirard MA
Departemente des sciences animales, Universite
Laval Quebec, Canada
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